外食産業の年収、外食産業の人間関係、外食産業の出世や異動、外食産業の不正、外食産業の衛生管理、外食産業の恋愛や結婚を赤裸々に暴露

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深夜のキッチンで竜兵の右腕ともいえる1番手の手下である若旦那が新人の学生アルバイトに深夜帯の閉店作業を教えていた。

ちなみに閉店作業とはいっても、この店の場合は24時間営業なので、実際に閉店するわけではなく、要は1回つかったモノや場所をきれいにするということである。


ふたりは閉店作業の1つでもある調理器具の煮沸消毒をしていた。

そして若旦那はすこし金色がかったトング(揚げ物やステーキを挟む調理器具)を水を張った寸胴鍋に入れる前に新人バイトに対して厳しい口調で言った。

若旦那「いいか、このトングはとっつぁん(竜兵)専用だから許可なしに勝手につかうんじゃねえぞ!とっつぁんがいない時は洗浄器の脇の奥にしまっとけ!わかったか?」

若旦那「煮沸する時だけ奥から引っ張り出してきて煮沸して終わったらまた元に戻しとけ!」

新人バイトは若旦那の話をきいて「わかりました。。」と小さく頷いた。


時は流れ、ウズラのおじさんも入ったばかりの頃、若旦那に同じように閉店作業を教わりながら、”例の金色トングは竜兵専用で煮沸消毒して隠して置くよう”に言われていた。


他のトングは全て色が銀色なのだが、発注する時に間違えたのか、あるいは昔のトングはこんな色でそれが1本だけたまたま残っていたのか、理由は知らないがキッチン内にあるトングの中でこの1本だけ少し金色がかっていた。


竜兵はいつもその金色のトングを使っていたが、店長が店にいる時と私がキッチンでいっしょに働いているときはけっして使おうとしなかった。

別にそんなものを使っていようが店長も私もうらやましがって竜兵から奪って自分がつかったり、色が違うこのトングについて細かく突っ込んで竜兵が自分専用にしていることを知ったところで咎めたりするわけはないが、この男はそういう気の小さいというか用心深いところがあった。


さらに時は流れた。


ウズラのおじさんは一人でキッチンの深夜営業をするようになったら、キッチンに他に誰もいなくなるとしばしば、竜兵の例の黄金のトングを躊躇なく使うようになっていた。

今思うとそれは”竜兵という魔物に全てを捧げたわけではない”というウズラのおじさんなりの無言の意志表示だったのかもしれない。。。
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