外食産業の年収、外食産業の人間関係、外食産業の出世や異動、外食産業の不正、外食産業の衛生管理、外食産業の恋愛や結婚を赤裸々に暴露

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「あの人って結局、楽することしか考えてないじゃん。。。」
夏の深夜、控え室で廃棄用のアイスコーヒーを啜りながらウズラのおじさんは私にぽつりと言った。

控え室のクーラーの音と外の蝉の鳴き声が未だに記憶に残っている。


ウズラのおじさんはこの店で働いているナイト時間帯の新人アルバイトの50代のおじさんであった。髪が薄く短髪で、おそらく自宅でカラーリングしたために色が斑になっていて、その様がウズラのようなのでウズラのおじさんである。

とても小柄で痩せていて、いつも500mlのペットボトルに青汁を入れて持参してきていた。

深夜になり落ち着いたのでフロアーをやっていた私がウズラのおじさんに「落ち着いたので一服しましょうよ」と声をかけ、控え室でざっくばらんに話をしていた。


わかりきったことだったが、ウズラのおじさんに私は「どうです?思っていたより色々大変でしょう?」と問いかけた。色々というのは端的にいえば、「竜兵たちといっしょにやっていて大変でしょう?」ということである。私の表情と言い方で、何をもって色々ということなのかがウズラのおじさんには全てわかっているようであった。

多くの新人アルバイトは他のアルバイトが本音を語り出すまでは理不尽な状況でもなかなか自分の本音は語らないことが多い。

この店でもそうだし、他の店でもそうである。

否、外食だけに限った話ではなく、仕事の現場で人間が集まれば、本音の部分を出すことは大きな賭けになる場合が多いし、本音を言ったからといって現状が簡単に変わるわけではないので、なかなか真実を語ろうとする人間は少ない。



この少し前に竜兵の右腕ともいえる一番の手下である若旦那が、シフト表をみながら控え室でウズラのおじさんにこう言っていた。

若旦那「明日は竜兵のとっつぁんと2人だからちょっとは楽できるな」
若旦那の竜兵に対する評価はいつもこうであった。
この評価は彼の嘘偽りのない評価であった。



しかし、冒頭のウズラのおじさんの竜兵の評価は「あの人って結局、楽することしか考えてないじゃん。。。」である。



社会人の大先輩であるウズラのおじさんはだからといって”社員である私になんとかして欲しい”とか私を責める感じでもなく淡々と諦めた様にそう言ったのであった。


自分がどう真実を語ろうが、この店にいるそれぞれの人間が自分の居場所を確保するために本音と建前の狭間で、自分でも何が本当で何が嘘なのかわからない価値観の中で、必死にもがいているということをウズラのおじさんは全てわかっていたのかもしれない。

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