外食産業の年収、外食産業の人間関係、外食産業の出世や異動、外食産業の不正、外食産業の衛生管理、外食産業の恋愛や結婚を赤裸々に暴露

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アルバイトというのは決められたルーティーンは意外にやるけど、決まっていないことはやらないことば多い。

受動的で自主的には動かないことが多いのだ。

清掃なんかは顕著にそれが現れる。

床は毎日、どんなに綺麗だろうとルーティーンとして決められていれば磨くが、棚の上は何年も誰も掃除しないなど極端なこともとても多い。

だから色んな店にいくと、それぞれの店のルーティーンがあって、この店はここは綺麗だけど、ここは全然ダメとかがみえてくる。

これはファミレスの場合だけじゃなく、アルバイトをつかっている業種は全てに当てはまる。


今回はあるコンビニにでのエピソードを少し話したいと思う。


少し前に私はあるコンビニを訪れた。

そこは私のお気に入りのチェーンではないが、駐車場がとても広くてトイレも二つあり、しばしば訪れる店であった。

昼時で食べ物を買おうと思い、なぜだかその時はパスタを食べたいと思い、弁当やおにぎりやパスタが並んでいるレジの近くにあるショーケースに行った。

それで明太子のパスタを手に取った。

日付を確認すると12時間くらい前に切れていた。

それを元に戻して、一番奥の新しいものを手に取り、レジに行った。


30代中盤くらいと思われる茶髪のパーマをかけた主婦が店員でレジをやっていた。

私がレジに並ぶと「いらっしゃいませ。」もなにもなく、「温めますか?」と軽い感じで訊いてきた。

私は「おねがいします。」と言ったが、彼女は無言のまま、レンジで温め始めた。

お金を払った後に、私は言った。

「置いてあるパスタ、期限切れがありましたよ。」

彼女は自分はまるで関係がないという感じで、「これがですか?」とレンジで温められている私が購入したパスタが期限切れであるのか?という風に訊いてきた。

「いや、あっちの置いてあるのです。」

彼女は何もいわず、少し薄ら笑いを浮かべた。

ちょうど私のパスタの温めが終わり、それを袋に入れて私に小声で「ありがとうございました。。。」と言い渡した。

店の出口辺りで振り返ると彼女は面倒くさそうにパスタが置いてある方へと向かっていった。


駐車場の車に乗り込み自分自身がとても不愉快な気分であることに改めて気がついた。

実はこの店に対して以前から私は不信感を抱いていた。

簡単にいえば物凄く汚いのである。
掃除が全然なっていないのである。

トイレにいけば、洗面台は黒く汚れ、鏡には白い膜の様なものが覆っていて、便器横の詰まったときに使うスッポンという感じの用具には年季の入ったホコリがまとわりついていて、酷いときにはトイレットペーパーの芯が小さなゴミ箱から溢れ、トイレットペーパーの切れ端が床に散らばっていた。


店内を見渡すと、下の段の商品をホコリがビッシリと覆っていて、雑誌が陳列している棚をみると髪の毛やら、ゴミやらホコリが溜まっている。

100歩譲って、客が口に入れるもの以外の場所の掃除が行き届いていないのを許すとしても、
この店は食べ物を陳列するような場所もどうしようもなかった。


レジ台に置いてある肉まんを入れている保温ケースとか揚げ物やフランクフルトが入れているケースの上をみるとビッシリとホコリが溜まっている。1週間や2週間の掃除で溜まるようなホコリではない。客に出すたびに開け閉めをするので、ホコリが商品自体に落ちているのは簡単に推測できる。


一番、驚愕したのがデザートを置いてある冷蔵のショーケースである。

ゼリーやヨーグルトなどが置いてある段を確認すると虫の死骸がパッとみただけで、端に50以上転がっていたのである。「虫 コンビニ」で検索してもらうとわかるが、特に夏場のコンビニは虫との格闘であるとの記述が多くでてくる。

それにしても、カナブンみたいなのことか、バッタのちびっこいのとか、蛾のデカイのとか、蟻の羽のはえたのとか、気持ち悪くなった。


デザートの場所だけじゃなく、他の照明のついた冷蔵のショーケースは似たような惨劇になっていた。

補充している時に気付いているだろうバイトたちも見てみぬ振りをして「誰かがやるだろう」とか、
「綺麗にしたところで自分の利益にはならない」程度に思っていることだろう。

もちろん、それ以外にもアイスを入れているストッカーのフチの黒いゴムの周りに気持ち悪い黒の小さい斑点が出来ていたり、レジ後ろの棚にホコリが丸くなって出来たボールみたいなものを陳列してたり、言い出せばキリがない状態であった。


おそらくこの店はフランチャイズの店なのでオーナーがいる。
もちろん、本部から社員が経営指導みたいなかたちで巡回してると思う。

でも、この状態である。

オーナーも社員も気付いているかもしれない。

では、気付いていたとしたらどうして、改善しないのだろうか?
あるいは改善できないのだろうか?

もしかしたら、気付いていないかもしれない。
では、どうして気付かないのだろうか?
あるいは気付くことができないのだろうか?


こんなことにも「長時間営業、バイトを使うこと」の難しさを知るヒントが隠されているのではないだろうか?


経営的に運営していく難しさはわからないが、衛生管理に関してはファミレスはコンビニなんかの非にならないくらい難易度は高いと思う。それゆえに徹底している店と妥協している店のの格差の激しさも凄いのである。


そうそう、この店に何週間ぶりに行ったら、虫の死骸はそのままで、普通にヨーグルトだかゼリーが補充されてて、角の奥にかたまったままでした。手前にはカナブンみたいなのが下を向いてお辞儀してました。

おそらく、いま行っても、その状態はそのままだと思う。それは放置でも多分、毎日、床は変な機械みたいなので磨いてると思う。

床磨き10回を9回に減らして、その1回分をヨーグルトの棚の虫を取り除くことに向かわないのが、滑稽でならないが、そういうふうになってしまうのを一番理解できる私である。

実は一度、終わっている店(勤めているファミレスの自店)でバイトにこのことについて提案した事があるが、きめられたルーティーン(綺麗な引き出しを毎日、決まった時間帯に拭くこと)をやることに必死で、わかってもらえなかった。当時の店長にもそれとなくいったが、理解してもらえなかった。

10回を9回に減らして、その1回分を他の事に使うのだから、労力的には負担は小さいはずであるが、
店長は10回を9回に減らすことが嫌みたいで、10回のままやり、その上で必要なこともやるべきだと主張する。一方でバイトも10回を9回に減らすのを嫌がるし、他に新しい仕事が増えることも嫌がる。

とにかく、簡単にいえば現状維持を望むのだ。


決まったことは馬鹿みたいに毎日、必要が無くてもやるけど、本当に必要なことは放置された状態である。

でも、そうなってしまうものである。

”○○のひとつ覚え”とはこのことだろう。。。




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昼の3時ごろ、私は店に到着した。


フロアーに客を数人確認できたが、従業員の姿はなく、パントリーで作業をしているか、控え室でくだらない雑談でもしているのだろうと思いつつも、パントリーへと入っていった。

パントリーからキッチンのバイトの子に軽く挨拶をして、パントリーにおいてあるシフト表を確認してから控え室に入っていった。


私が控え室に入ると、「びっくりした!~(私のこと。ちなみに呼び捨て。)かぁ!あいつ(店長)かと思った。」と、店長と衝突しクビ同然に辞めていったランチでフロアーを担当していた30代主婦の元従業員が、私の方をみて言った。

控え室には他に3人のランチフロアー担当の主婦たちがいた。

テーブルの上にはおそらく、廃棄用だとおもわれるアイスコーヒーやらアイスティー、ケーキ類などが雑然と置かれていた。


私は「おつかれッス」と挨拶した。

辞めた主婦は少し安心したような表情で、「おつかれさま。」と丁寧に私に挨拶してきた。


するとその中で最年長でかつ、ランチフロアーの中でリーダー格のおばちゃんが少し興奮気味に口を開いたのであった。

リーダー主婦、「いいのよ!別に店長がきたって私が呼んだんだから!文句あるなら私も辞めてやるわよ!」

それにつづくように、ちょっとおとぼけキャラのメガネの古参のおばちゃんも口を開いた。

メガネ、「そうよ。いくら店長だからってやり方が酷いわよ。」

という具合に私が入ってきたのを契機になのか、4人のおばちゃんたちは店長批判がはじめたのであった。

今考えれば、私の耳にどういった主張したところで無理だとはわかっていただろうが、私を通して店長に抗議しているという意味合いもあったのかもしれないし、自分たちのスタンスを社員である私に誇示したのではないだろうか?


とばっちりを受けたくないので、私はロッカーに着替えに向かった。


簡単にいうと、プライドが高く口の悪いこの主婦を歴代の店長たちは、時にはおだてたり優遇したりしながらも、なんとか利用し続け使ってきたのであった。

この店長もはじめは、この主婦を今までの店長に近い使い方でやってきたのだが、組織の中での上下関係のあり方やルールなど、ある程度の常識がある大人なら暗黙の了解の下、上手くやるところだが、この主婦はそんなことはお構いなしに、店長だろうが関係なく、営業中に客前や他の従業員の前でも「邪魔!」だとか「使えない!」とか平気でいうような人物であった。

それに店長が人手不足を考えても我慢できなくなり、シフト上からこの主婦をスポイルし始めたのだった。

できあがったシフトをみると希望の労働時間が5分の1以下にされてしまい、しかも店長がいない時間になっていた。


それにキレた主婦が店長がいる時間にやってきて、直訴したが直接、「要らない」と言われ怒って帰ってしまい、その場でシフトから抹消されやめてしまったのであった。


そして、この主婦は辞めてしまったわけだけど、暇になったのと仲間がこの店にいるので店長のいない時を見計らって、店に入ってきて控え室で仲間のおばちゃんたちと井戸端会議をしにきていたわけである。


これだけの説明だとこの主婦がクビになって当然だと思う人も多いかもしれないが、実際、長い間、この主婦を店側も本当にいいように利用してきたことは否めないわけである。



ランチ担当なのに深夜のフロアー担当者がキッチンの深夜のおばちゃんにいびられて辞めてしまって困っていたら、小学生の子供がいるのに自分から「週2日くらいなら」と新しい人間が入るまで旦那さんに相談し協力してもらって、相当無理しながらも働いてくれたり(ちなみに早朝でも同様のことがあったのも付け加えておく。)、人件費をかけられないのを知っているので、「しょうがない。」と言いつつも、土日のラッシュ時の2時間とかだけでも何度となく働いて(労働時間としてつけるのは2時間だがなんだかんだで3時間程度は働いてくれるわけである。)、店の為に貢献してきたわけである。


だから、当然、彼女も「働いてあげている」という意識が強くて、特に営業中はバイトだろうが店長だろうが、エリアマネージャーだろうが営業的なことでキツイ言葉で貶す事がしょっちゅうであった。


その為に不愉快なおもいをしている人間も多かったのも事実で、彼女が嫌でやめていったバイトも少なからずいたのであった。


その後も店の仲間のおばちゃんたちがメールを送ったりして店長のいないときにチョコチョコと控え室にしょっちゅう来ていた。


しかし、ある時、店長が店に突然やってきて、鉢合わせてしまった。


その場にいたのだが、2人ともビックリしながらも目もあわせずに、店長の方が憮然とした表情で「こんにちわ」と挨拶をすると、主婦の方が、「おじゃましました。」と言って店を出て行ってしまった。


それで当然、店長は、「あの人がどうしているんだ?部外者を勝手に入れて、貴重品とかなくなったらどうするんだ?」と私に問い詰めてきたわけである。

しかし、そこにリーダー格のおばちゃんもいて、間に入ってきて、わめきちらして、「部外者とは何よ!私が呼んだんだから私もクビにしてもらっていいんだから!」みたいなことを言って、その場はとにかくうやむやになったのだった。


でも、しばらくして、リーダー格のおばちゃんが控え室からいなくなって、店長に、一言、「二度とあの人(やめた主婦)をいれないでくれ。」と静かに重々しくいわれ、その場では「はい。わかりました。」と返事するのであった。

でも、そのまた後に、フロアーで働いている時にリーダー格のおばちゃんに「私も辞めていいんだから!」と凄まれて、結局、その後も、そのやめた主婦が頻繁に控え室に来ていても、愛想笑いを浮かべて挨拶して快く迎える以外に選択肢はなかったように思うわけである。

普通なら、やめたのに勝手に控え室に入ってきてるわけだから相当に図々しいと思うわけだけど、
こういう店でバイトだろうと従業員としてやっていくには図々しいのは最高の長所なわけである。


結局、でも、この主婦一人をやめさせたところで店の運営を考えた場合、ファミレスの店長なんて短ければ1年以内で異動になるわけだから、プライドを傷つけられようとも妥協しながらも利用して行く方がいいのか、一人でもこういう人物をやめさせて改善していく方がいいのかを判断するのは難しいところだと思う。

日曜のアイドル時間帯、控え室でランチの格闘を乗り越え、しばしの休息をとっていた。

休憩を終えた後は帰りまでフロアーで働くことになっていた。


しばらくすると午後4時からディナーまでキッチンで働くことになっている大学生のバイトの子がやってきた。

控え室に顔を出し挨拶をして着替え、アイスコーヒーをパントリーから貰ってきて、控え室に入ってきた。

しばし、談笑と沈黙が続いた。

すると店長室にいた店長が大学生に思い出したように尋ねた。


店長、「ディナーは他、誰だっけ?」

大学生、「えーとぉ、竜兵さんと若旦那さんがくると思います。」

店長は少しわざとらしく、安心したような表情をみせて身体の向きを正面に動かして言った。

店長、「じゃあ、大丈夫だなぁ。あの2人がいれば。。。」


大学生は少し不満げな様子だった。


そして、しばらくして、店長はパントリーの方へと行ってしまった。



店長が出て行ってすぐに大学生は私に憮然とした表情で言った。

大学生、「マジッすか?ってぃうか、本気ッスか?」

私は冷静にそして落ち着いた様子で言い聞かせるように口を開いた。


私、「マジもなにもそういうことなんだよ。」

私、「店長の本音かどうかは知らないよ。でも、そういうやり方もあるってことなんだよ。」

私、「俺だって、そうだよ。」

私、「だから、バイトでも社員でも同じなんだよ。」

私、「自分ばっかり損しないように人間関係を上手にやりくりするのも勉強だと思うよ。」


大学生は納得できない様子で渋い表情をして言った。

大学生、「でも、それじゃあ、やりたい放題じゃないっすか?」


私は冷静に少し冷たい感じで言った。

私、「そうだよ。やりたい放題だよ。だから、上手く立ち回って損害を最小限にするのも力量じゃない?」

私、「それで潰されちゃうのも自己責任じゃない?俺だって同じだもん。」

私、「でもそれって、ここだけじゃなくて、コンビニでもスーパーでも焼肉屋でもなんでもバイトしてりゃぁ同じじゃない?」


大学生はちょっと諦めたようにさらに言った。

大学生、「でも、それじゃあ。。。まじめにやってる奴が報われないじゃないッスか?」


私も諦めたように言った。

私、「そうだよ。俺も同じなんだよ。やめるのも、闘うのも、あきらめるのも、妥協するのも、本人次第じゃない?」

私、「まぁ、どこでもいっしょだよ。多分。。。」

私、「俺はおかしいと思うけどね。。。。。」
控え室で竜兵がTシャツ姿でくつろいでいた。

右腕の若旦那が竜兵のデップリと出た腹をみて言った。


若旦那、「とっつぁん、ちょっとは痩せなきゃ、やばいぞ」

竜兵、「わかってんだけどよぉ。なかなかむつかだよ。わかっちゃいるけどやめられねぇんだよ。」


控え室横に併設された店長室で雑務をこなしていた店長も話しに加わってきた。

店長、「竜兵さん、糖尿とかになったらやばいぞ。ちゃんと節制した方がいいぞ。」


竜兵は少し恐縮したように愛想笑いを浮かべて少し高い声で言った。

竜兵、「わかってるんですけどねぇ。なかなか難しいんですよ。」


その後も、竜兵、若旦那、店長の3人で竜兵のメタボについて語らっていた。

話の中心の竜兵はどこか他の2人が心配してくれていると感じていたからなのか、少し嬉しげであった。



そして、店長はパントリーの方へと出て行ってしまった。

しばらくして、大学生のキッチンのバイトの子がやってきた。

彼は着替えを済ませて、控え室で竜兵と若旦那の2人とたわいもない話をしていた。

その話の流れが若旦那によって、再び、竜兵のメタボ話へと移っていった。



若旦那、「どう思う?この腹はヤバイだろう?」

竜兵は苦笑いをしながら、「わかってるよ」と嬉しそうに若旦那に言った。

大学生も話の流れにのって、同様の意見を言った。

大学生、「それはちょっとやばいっす。痩せなきゃ。」



竜兵はさっきまでの温和な表情が一変して、顔が真っ赤になって大声で大学生に怒鳴った。

竜兵、「なんで、おめぇにそんなこと言われなきゃならねぇーんだ?あぁ?」

竜兵、「なんか、おめぇに迷惑かけたのかよ?あぁ?」

竜兵、「わきまえろ!ふぜけんなよ!てめぇは何様なんだよ?おぉ?」


口から唾のしぶきを出しながら興奮して怒鳴っていた。



つまり、竜兵的に言っても良い人と言ってはダメな人があって、この大学生は言ってはダメな人だったのである。おそらく、ベテランのパートのおばちゃんとかだったらOKだったと思う。

女のタメ口は許せても男の年下のタメ口を許せない人が多いように結構、こういうのは竜兵だけじゃなく、他の人でも多いように思う。
出社して控え室に行くとフロアー担当の大学生の男の子がいた。

彼の目の前のテーブルには食べ始めたばかりのハンバーグと、さらに6個盛られた不細工なおにぎりがあった。


彼は私に軽く挨拶をした後、訴えるように言った。

彼、「申し訳ないんッスけど、ライス1枚貰ってきてくれないないッスか?」


私は彼の表情や普段から我が侭をいうタイプではないないのに、年上で社員である私に自分で取りに行けばすぐに済むのに、ライスをわざわざ私に持ってきてくれるようにお願いしたのには訳があるとすぐに察知した。


なんとなく、おにぎりと彼の表情で事情は大体、推測できたが一応、確かめるように彼に言った。

私、「おにぎり、食べないの?」


彼は少し笑みさえ浮かべ、そして怒りを少し含んだ諦めたような表情で静かに言った。

彼、「竜兵さんの握ったおにぎり、食えますか?」


さらにもう一段階上の怒りの表情を顔に浮かべて少し強い口調で吐き捨てるように言った。

彼、「気持ち悪くて食えるわけないッスよ!」



私は黙ってパントリーに向かい、わざと一度、客席に出てからパントリーに入り、キッチンにいたポッターに、「ライス一枚、大盛りでお願いします。」と言って大盛りライスを1枚貰い、再び客席に出て、キッチンから見えない出入口からパントリーに入り、そのまま控え室に入り、彼の目の前に静かにライスを置いたのだった。


彼は私に少し悪いことをしたかのような反省した表情を浮かべ、小声で「すみません。。。」と言った。



ディナーでライスを炊きすぎて保温状態になったまま、深夜から早朝まで長時間残ってしまうことがある。

モーニングやランチで客に出すにはNGなので冷まして、ラップに包んで冷凍庫保管しておいて従業員用の従食につかうことがある。


ただ、従食も一応、金を払ってるので食べる本人が嫌がれば無理意地できない。


それでその冷凍ライスを廃棄にしようかどうかという時に彼が従食を頼んで、彼になんの説明もなしに、控え室で待っていた彼にポッターが料理といっしょに冷凍ライスを竜兵がおにぎりに握ったのを嬉しそうに持ってきたというわけだ。

別におにぎりにする必要性は全然無い。

普通にレンジで温めなおしてライスとして持ってきて、事後でも了承を得ればもしかしたら、彼はこんなにも怒らなかったかもしれない。(もっとも、それでも持ってくる前に了承を得るのが常識なのだが。。。)でも、そんな彼の気持ちなんかどうでもよく、竜兵の気分でおにぎりにして持ってきたのだろう。


しかも、「ライスの大盛りより量多いけど、食べられるでしょう?」と良いことをしてあげたかのような清々しい笑顔で竜兵が握ったおにぎりをポッターは持ってきたそうだ。


そこにしばらして、控え室に私が入ってきたわけである。

おそらくだが、彼のライスを私がポッターに貰いに行った時、ポッターは私の小芝居にもかかわらず、彼のライスだということはわかっていたように思う。


でも、おそらく、おにぎりを持って行った時に彼の表情だとか反応で悪いことをしたと反省したのかもしれない。


だから、多分、竜兵には彼のライスを貰いに来たとは、その後も言ってないだろうし、実際問題、彼らの関係を考えれば言えないだろう。また、彼がそのおにぎりをパントリーの生ゴミ用のゴミ箱に全部捨てたということもポッターは知っていたと思う。

でも、ポッターはそのことについても竜兵には報告していないと思う。

洗礼

夏のランチ時間帯であった。

その日は相当に暑い日だった。

車通勤で、たまにある休日も身体を休めるために部屋から出ることも少なく、出たとしてもほぼ車で移動なので、季節感を他の人よりも感じることが極端に少なく、”夏のランチ時間帯”だとか”相当に暑い日”だとかいったところで、いってる本人も”夏”だとか”暑い”だとか形容してることが少し馬鹿みたいだと思ってるわけであるが。。。

とにかく、相当に暑い夏のランチ時間帯だったはずである。


あいかわらず我が店も常に人手不足なので、ファミレスの繁忙期であるこの時期はギリギリでやっている状態であった。

それでエリアマネージャーの計らいもあり、他店舗から後輩社員がヘルプできてもらえることになった。


やる気満々の彼は太目の体格で熱い男であった。
作業スピードなんかも非常に速く、しゃかりきになって動いてくれた。

それでこの日は私と彼とパートのおばちゃんの3人でフロアーで働いていた。



しゃかりきによく動くから顔中が汗だらけで、Yシャツも汗で背中に張り付いている様がわかった。


彼がオーダーをとっている際に家族連れの温和そうなおじさんがやさしい笑顔で微笑みながら「汗だくで大変だね」と彼に言った。

オーダーをとりながら彼は満足気な表情で「はい」と元気におじさんに言っていた。


オーダーをとりおえた彼に私は近づき、”パントリーに行って、ペーパータオルで汗を拭いて少し控え室で一服してきていいよ”と言った。


彼は笑顔で謙遜したように「大丈夫です」と言った。


その後も彼は懸命に動き、汗だくになりながら働き続けた。


夕方になり、彼とパートのおばちゃんは帰る時間になり私は休憩時間になった。

落ち着いてきたので2人を先にあがらせて私だけフロアーに残り、ディナーメンバーといっしょに働いていた。

少し経ち、大丈夫そうなので休憩のために控え室に行った。


彼は帰り支度を終えて、店長室のPCでランチの客数などを眺めていた。
おばちゃんは一服をしながらパイプ椅子でくつろいでいた。


私が控え室に入ってきたのを確かめるようにおばちゃんは口を開いて、彼に対して言った。

おばちゃん、「あんた(後輩社員)ねぇ。~(私。ちなみに呼び捨て)が”一服いけ!”って言った意味がわかんないの?」

おばちゃん、「あんな汗だくで客席でウロウロされたらお客さんも食欲がなくなるのわかんないの?あんた馬鹿じゃないの?」


彼、「え?そうなんですか?」


彼は私の方をすがる様にみた。


私、「うん。。。あと、Yシャツの下にはシャツを着ないと汗で張り付くからお客さんが不快に思うから着た方がいいと思うよ。」


彼はシュンとした表情で下を向いた。


おばちゃんが追い討ちをかけるようにさらに言った。

おばちゃん、「あんたねぇ。動けばいいってもんじゃないのよ。客席であんなにバタバタしたらお客さんだって落ち着かないでしょう?あんた社員なんだから、そのくらい気付きなさいよ!それと先輩がまだ働いてるのによく先に時間通りにあがれるわよね?」

彼はさらにシュンとした表情になっていた。



それからしばらくして、彼が再び我が店にヘルプにきてくれた。

Yシャツの下にグレーの大リーグTシャツを着ているのが透けてみえたのであった。。。


やったね♪

祝!! 本サイトが9月初旬頃に書籍化予定!!

今までみに来てくれた人、ありがとう!

記念に近い内に新しいエピソードを更新するぞ!




「書籍化情報」

アルファポリス 出版予定の本

版元ドットコム

今後、更新予定のエピソード


・「無理です!絶対無理です!」

・「もう無理です もう無理です お願いです。代わって下さい!」

・これが俺たちのやり方 竜兵スタイル

・串カツ屋のおっさん

・またまた、某バーガーチェーンに行った

・独立制度???

・ガキにはガキの事情がある

・ねずみ色の毛玉だらけのスウェット




時間をみつけて今後、更新予定のエピソードです
どれから更新できるかしら?
深夜のキッチンで竜兵の右腕ともいえる1番手の手下である若旦那が新人の学生アルバイトに深夜帯の閉店作業を教えていた。

ちなみに閉店作業とはいっても、この店の場合は24時間営業なので、実際に閉店するわけではなく、要は1回つかったモノや場所をきれいにするということである。


ふたりは閉店作業の1つでもある調理器具の煮沸消毒をしていた。

そして若旦那はすこし金色がかったトング(揚げ物やステーキを挟む調理器具)を水を張った寸胴鍋に入れる前に新人バイトに対して厳しい口調で言った。

若旦那「いいか、このトングはとっつぁん(竜兵)専用だから許可なしに勝手につかうんじゃねえぞ!とっつぁんがいない時は洗浄器の脇の奥にしまっとけ!わかったか?」

若旦那「煮沸する時だけ奥から引っ張り出してきて煮沸して終わったらまた元に戻しとけ!」

新人バイトは若旦那の話をきいて「わかりました。。」と小さく頷いた。


時は流れ、ウズラのおじさんも入ったばかりの頃、若旦那に同じように閉店作業を教わりながら、”例の金色トングは竜兵専用で煮沸消毒して隠して置くよう”に言われていた。


他のトングは全て色が銀色なのだが、発注する時に間違えたのか、あるいは昔のトングはこんな色でそれが1本だけたまたま残っていたのか、理由は知らないがキッチン内にあるトングの中でこの1本だけ少し金色がかっていた。


竜兵はいつもその金色のトングを使っていたが、店長が店にいる時と私がキッチンでいっしょに働いているときはけっして使おうとしなかった。

別にそんなものを使っていようが店長も私もうらやましがって竜兵から奪って自分がつかったり、色が違うこのトングについて細かく突っ込んで竜兵が自分専用にしていることを知ったところで咎めたりするわけはないが、この男はそういう気の小さいというか用心深いところがあった。


さらに時は流れた。


ウズラのおじさんは一人でキッチンの深夜営業をするようになったら、キッチンに他に誰もいなくなるとしばしば、竜兵の例の黄金のトングを躊躇なく使うようになっていた。

今思うとそれは”竜兵という魔物に全てを捧げたわけではない”というウズラのおじさんなりの無言の意志表示だったのかもしれない。。。
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